この雑誌が出版されたのは昭和7年のこと。
日米開戦まであと9年という時代でした。
当時は、満州をめぐる世界の動向や日米双方の国民感情も険しくなり始めていたころ。
このとき、すでに「日米戦争」の可能性が議論され始めていたのです。
この雑誌にはタイトルどおり「日米は戦うべきなのか」「戦ったらどうなるのか」という議論が載っていました。
執筆陣は、軍人、ジャーナリスト、総領事、東大教授など、 “日本の頭脳” ともいえる、そうそうたる14人の専門家たち。
そこには、「歴史」「経済産業」「外交」「軍事力」「戦略」などさまざまな分野で多角的にアメリカを分析して立てた “日米の将来の予測” を真剣に伝えようとする姿がありました。
いったいどんな情報を国民は受け取っていたのでしょうか?
日本人はアメリカをどう見ていたのでしょうか?
そして、その予測に対し日本はどうしようと考えていたのでしょうか?
これらの予測は、300枚以上の写真やイラストなどのビジュアル資料を用いて
驚くほど詳細に語られていました。