こうして誰も気付かないまま、多くの書物が戦後の日本から忽然と姿を消しました。その数、7,769冊。それらの書物には、日米開戦における米英の戦略・暗躍を見抜いた学術書や満州事変勃発の真相を紐解き、満洲をめぐる各国の謀略を分析した研究など、GHQが戦後の日本人には読ませたくなかった、戦勝国にとって都合の悪いものが数多く含まれていました。
ほかにも、支那事変の最前線にのぞむ日本兵が壮絶な日々を赤裸々に綴った手記や、明治の志士たちを動かし、近代日本の原動力を生んだ “秘密の学問” 、日本人の “道徳観” を教えるための教科書・思想書など、日本人としての生き方や叡智が凝縮された書物も多数ありました。
まさに戦前日本の “叡智の結晶” ともいえる貴重な書物がGHQに奪われたのです。このように書物を消し去り、歴史を奪う行為を「焚書(ふんしょ)」と呼びます(秦の始皇帝が行った「焚書坑儒」に由来します)。これは、国際法でも「違反」と定められる犯罪的行為であり、戦後GHQはわれわれの国・日本でその犯罪行為を実行していたのです。
現在、7,000冊以上のGHQに焚書された書物のうち、復刻されたものはわずか数十冊。膨大な書物がいまだに国会図書館や古書店などに眠ったまま手付かずの状態です。誰かが焚書書籍に興味を持ったとしても、国会図書館にある書物の貸し出しは自由ではなく、コピーも限定つき。それでいて手に負えないほどの秘蔵量なのです。
さらに、書物の内容は難しく書店で売るにはマニアック過ぎるため、多くの出版社が「焚書書籍の復刻」を敬遠しているようです(事実、過去に複数の出版社やメディアが復刻に挑みましたが、どちらも途中で頓挫しています)。どこかの出版社が本気で「復刻」に取り組まなければ、これらの書物は永遠に日本人に読まれないまま、記憶から消されていくでしょう。
先人が残してくれた叡智を、魂を、後世に繋がなければならない... そんな想いから、弊社ダイレクト出版は、大掛かりなプロジェクトを始めることにしました。それが、この『GHQ焚書アーカイブス』という会員制サービスです。入手困難でボロボロの状態の「GHQ焚書書籍」を発掘し、一流の専門家に読み解いていただき、わかりやすい動画講義の形で後世へと残していきます。